歴史の雑学

日本書紀の冒頭を「やわらかめ」に翻訳して書いてみた 


今回は

「日本書紀をやわらかめに書いてみた」として、

六国史の第一にあたる「日本書紀」を

なるべく原文に沿って柔らかめに要点を中心に書いていきます。

神代から持統天皇の時代までを扱った書になります。

その内容をどう解釈するかは、読み手次第ですが、

日本書紀は対外面を特に意識しているとも

いわれ国家(外廷的=宮廷の外部)のための歴史書とされ

同時期の「古事記」は天皇家のための歴史書(内廷的= 宮廷の内部

という見方が一般的のようです。

その「日本書紀」は、養老4年(720年)、

奈良時代に成立した日本の歴史書で、

日本に伝存する「最古の正史」と言われています。

三神

・・・・すごい大昔

天と地がまだ分かれず、陰と陽も分かれず、

鶏の卵の中身のようにぐるぐる回転して形が一定にならなずにいました。

そのうち、清明なものは、うすくたなびいて天となり、

重濁なのもは、積み重なって、地となりました。

しかし、清明なものは集まりやすく、重濁なものは固まりにくかったので、

天が先に、地が後から出来ました。

その後、天と地の中間に神が生まれました。

まず、遊ぶ魚が水上に浮くように、

天と地の開けた初めに国土が浮かび上がり、

その天地の中間に、葦(あし)の芽のような形の物が生じました。

それは、すぐに神となり「国常立尊(くにのとこたちのみこと)」と申して、

次に国狭槌尊(くにのさつちのみこと)さらにその次に豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)

が生まれました、合わせて「三神」と言います。

四対遇の八神

さらに神々が生まれます

色々な呼び方がありますが、

埿土煑尊(ういじにのみこと)・沙土煮尊(すいじにのみこと)

大戸之道尊(おおとのじのみこと)・大苫辺尊(おおとまべのみこと)

面足尊(おもだるのみこと)・惶根尊(かしこねのみこと)

伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)

神代七代

 

上記で生まれた八神は、

陰と陽の2つの道が交わり合って生まれたので

全て「男女」となりました。

日本書紀では、天地開闢の最初に現れたここまでを書いた、

十一柱七代の神を「神世七代」としています。

まず最初に並んで生じた神は、

埿土煑尊(ういじにのみこと)・沙土煮尊(すいじにのみこと)でした。

伊弉諾尊・伊弉冉尊の国生み

・・伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)は

天浮橋に立たれ、「下界の底の方にはきっと国があるだろう」と言いました。

天の瓊矛をさし下して探しました。

すると青海原があり、その矛先からしたった海水が凝固し、一つの島となりました。

その島は、「オノコロ島」と名付けられました(現代では、淡路島と周辺に、オノコロ島とされる場所がいくつも存在する)

二神は、その島に降りて夫婦となり、国土を生もうとします。

まず淡路島を胎児を包む膜として生みました。

そして

大倭豊秋津島(おおやまととよあきづしま)を生みました。

次に伊予之二名島(いよなのふたしま)・筑紫島(つくしのしま)

次に億岐洲(おきのしま)・佐度洲(さどのしま)の双子を生みました。

世間の人が双子を産むようになったのはこれに習ってのことだそうです。

ついで、越洲(こしのしま)大洲(おおしま)を生み、

次に吉備子洲を生みました。

これにより初めて大八島国(おおやしまぐに)という名が起こりました。

そして、その他にも、

対馬島や、壱岐島は湖(または水の泡)が固まって出来ました。

さらには、海を生み

次に川を生み次に、木の祖、句句廼馳(くくのち)を生み

草の祖、草野姫(かやのひめ)を生みました。

天下の主になる者の誕生

伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)は相談して

「我々はすでに大八島国及び山川草木を生んだ。

次は天下の主になる者を生むべきだろう」と言いました。

こうして、日の神、大日孁貴(おおひるめのむち)が生まれます。

天照大御神(あまてらすおおみかみ)

天照大日孁尊(あまてらすおおひるめのみこと)とも呼ばれます。

皇室祖神として伊勢神宮にまつられている)

この神は、明るく輝き、あまねく世界を照らしました。

伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなきのみこと)は

このように霊妙な子はいなかったと、たいそう喜び、

速やかに天上に送って天界の政事を任せるべきだと考え

天の御柱によって天上へ送りました。

この時は、まだ天と地がそれほど遠くなかったそうです。

次に月の神月弓尊(つくゆみのみこと)を生み、

日の神についで輝きがあったことから、同じく天上へ送られました。

次に蛭児(ひるこ)が生まれました。

しかし生後3年たっても、足も立たなかったため、

天磐櫲樟船(あまのいわくすのふね)に乗せて流してしまった。

次に素戔嗚尊(すさのおのみこと)が生まれました。

素戔嗚尊は勇猛ですが、とても残忍な性格であったため、

伊弉諾尊・伊弉冉尊の父母神に、「手がつけられない

お前は天下に君臨するべきではないので「根国」

(異界・または出雲東部一帯が根の国とする説もある)

に行くべきである」と言われ、追放されました。

この後に伊弉諾尊(いざなきのみこと)は、神としての仕事を終え

あの世に行かれることになります。

天照大御神(アマテラス)と素戔嗚尊(スサノオ)の誓約

素戔嗚尊(すさのおのみこと)は

姉の日の神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)

に永遠に根の国に退去する前に、姉に会いたいと言いました。

しかし、それを聞いた天照大御神は、顔色を変え、

「私の弟がここに来ると言うことは善い心からではない

きっと国を奪おうとする意思がある」と言い、激怒しました。

 

素戔嗚尊は、姉が激怒するなど思いもよらず

身の潔白を証明したいと訴えます。

そこで、素戔嗚尊は天照大御神に

「必ず子供は男の子を生む、もし女の子が生まれたら

私に邪心があると思ってください」。と約束します。

そしてその時、(左右の角髪(みずら)などを食べて)

生まれた子が全て男だったので

素戔嗚尊は、潔白を証明しました。

天照大御神はその男の子達を全て自分の子として

引き取って国(天原)を統治させました。

 

今回はここまでです

次回は気が向いたら。