その他の雑学

飲食店経営はなぜうまくいかないのか?


今回は少し気になったので

飲食店経営はなぜうまくいかないといわれるのか?

その理由と考察を私なりですが書いていきます。

最近飲食店などの経営者から

込み入ったお話を聞く中で

多くの方が共通するのは

大体0~2年目あたりで、

「売り上げが落ちた」

「経営がうまくいかない」

「お店を買わないか」

などと良く耳にします。

何故なのか?理由を少し考えてみました。

そんな私も、昔、実験的に「BARベジタフル」という

野菜のカクテルとスープと燻製料理の小さいお店を

期間限定で出した事があります。

試験的・期間限定という事もあり

一切経営としては考えずに

思うがまま・思いつくがままに

お店をやってみまして

成功と失敗を経験したことがあります。

↑その時のメニューはこんな感じです↓

(上・無添加野菜の色々スープ )

(下・燻製チーズの一口バーガー)

その成功点・失敗点などの経験を踏まえながら

書いていきます。

なんと言っても開店しやすい飲食店

 

まず飲食店の開店のハードルの低さです

誰にでも出しやすく

切り詰めれば安価でお店が出せる事から

安易に手を出しやすいのが飲食店。

だからなのか、結構無計画に近い状態で

始める方が多いです。

「老後の趣味で始めるお店」

「知り合いの店を引き継いだ」

「料理が趣味だから自信がある」

など理由は様々ですが

ただ、どちらにしても、開店したら

「潰れる店」・「潰れない店」

この2つだと私は思います。

町の小さなお店が潰れない理由

 

これは良くある話ですが

住宅街とかにある

立地の悪いボロボロの食事屋さん

中華屋とかとんかつ屋とか

ありますよね。

何故存続できるんでしょう?

1番と言ってもいい理由は

「家族で経営してるから」です。

人件費・・そして家賃・・・。

これらは一番高いといえる経費です

例えば自分と奥さん2人でやってる店なら・・

自分お家の一階などでやってる店なら・・

外注など人件費・そして家賃は0ですよね。

もしくはいくらにでも「人件費」を設定できます。

この時点で、食事などの原価率はかなり安い物

となります。そうなると値段も安くできるし

この時点で大きな潰れない理由が1つあるといえます。

まあある程度の「おいしい」は必須ですが・・。

原価率の基本

 

お店を経営する時点で

まず大事なのは「原価」です

原価率の計算は

「原価率=原価÷売上×100%」

簡単に言うと、

5万円で仕入れて10万円の売り上げなら

原価率は50%です

これはあくまでも材料費・仕入れ値の原価です

ここだけで判断していると

「正確な原価率が出せていません」

極端に言うと

失敗例で多く見られるのがこのパターンです。

正確な原価と値段

 

上記、初期原価率計算ばかりが優先されて

実際の原価とのズレがある事があります

簡単に言うとですが

たとえばコロッケ屋さんをやるとして

商品1つ作るためにかかる

原価は「材料費」だけじゃありません。

 

ここは実際にかかる費用を

正確に考えなくてなりません

「材料費」はもちろんの事

大きく分けると

まず「人件費」です。

あとは「減価償却費」・「電気ガス水道」

「家賃」・「ロス・廃棄代」

などです。

正確な原価率・費用を出していると、

実際コロッケを何個売ればいいのか?

1つの経営の目標やノルマが導き出され

その為の経営が出来ます。

忘れがちなロス・廃棄代

 

そして

意外と忘れがちなのが

廃棄代です。

一般的に「ロス費」とよばれる費用です。

材料の一部が賞味期限により

廃棄になり、その材料を

買い直した部分の費用です。

5万円で仕入れた材料が

たとえば賞味期限切れで、

1万円分買い直した場合

ロス費は1万円、これだけでも

「5万円+1万円=材料費は6万円」

になりますよね。

このロス費解消の為

多く見られるのが

「ランチ営業」「セットメニュー」です。

町で見かけるこの経営手法は

おそらくはこのロス費用の解消のためです。

忘れがちその2 減価償却費

 

減価償却費とは、

例えば業務用冷蔵庫を120万円で買ったとします

耐久年数が10年として

1年間で12万円の減価償却費がかかることに

なります。

冷蔵庫だけなら1ヶ月で1万円ですが、

様々な機械を買ったと想定してみてください

これが原価に加わっていなかったり

1日の経費の合計に固定費として

計算されていないことがあります。

1日あたりいくらの経費?

 

一般的には「FL」比率と呼ばれる比率方法があります。

まず人件費(L=レイバー)で考えてみると

たとえば人件費が全部で月80万だとします

これを25日で割ると、

1日32000円の「人件費」がかかります

これに「材料費」の食材原価

(F=フード)などを足します。

人件費(L=レイバー)+「材料費」の食材原価(F=フード)

この部分が「FL」比率と呼ばれる部分です。

ここに様々な「経費」を足して、

仮に全部で、1ヶ月150万円

25日営業だとして、1日で6万円

経費がかかっているとします。

コロッケなどの商品が1つ平均200円だとして、

単純計算で最低でも1日300個を

売らなければいけません。

仮に600個でもやっと利益が6万円

さらにその利益から大体半分は

税金を払わなくてはいけません。

経営をすると言うことは

当然そのFL比率を下げる努力や

「集客」や「経営努力」をしますが

はたしてそれでそれだけの

お客さんが来る計算がそして計画が

成り立っているでしょうか?

さらに努力を続ける体力はあるでしょうか?

1つ、このあたりが

軽率に飲食店を始めた結果

失敗する理由かもしれません。

立地が99%といわれる理由

 

飲食店経営は立地がすべて・・

と良く耳にします。

まず一つ立地と言えば人通りですが

立地の善し悪しは人通りだけではありません。

仮に斬新なアイディアや

たとえば最新の運営法で

お店の経営がうまくいったと仮定します。

当然こんな噂が立ちます

「あそこで○○をやればうまくいく」と

すると、自ずと周りに同じようなお店が

「乱立します」簡単に乱立されやすい所は、

立地がいいと言えませんよね・・。

その場合、当然売り上げは落ちます

しかし移転も簡単にはできません。

たとえば自分がお客さんの場合も

あると思います。

何年も惜しみなく通うお店は

どのような理由でしょうか?

様々な理由がありますが、

おそらくほとんどが1~2回行ったきりや

トータルで1年も通わないと思います。

この理由はまず「飽きるから」です

そしてそこまでの「必要」が無いからです。

それでも最後に残るのは、

自分にとっての

「立地」と「利便性」だと思います。

たとえば、最寄りにあるコンビニには通いますよね。

結局人間は何かしら「必要」だから、

出来れば近く・または良く行く町の

その「必要」なお店に行くんだと

思います。

~その立地で多くの人に必要な物を売る計画

簡単ではないですが

これが出来ている経営が、

おそらく一握りの成功パターンの1つです

常連客は何故常連客なのかと言うことですね。

水商売は飲み屋だけじゃない

 

何故「水商売」というのか

江戸時代の水茶屋さんが起源など

様々な意見がありますが、

一般的には

浮き沈みが大きい飲食経営全般を

川の流れに例えたといわれます。

一番安い酒1杯と1品で何時間も居座る人

逆に一番高いお酒で沢山の品を頼み

すこしの時間しかいない人

バランス良く来店される人

予約キャンセルなんて日常茶飯事。

そのような商売の方法、そして

この浮き沈みこそが「水商売」と言われる

所以です。

飲み屋さんが「水商売」とのイメージ

がありますが、

飲食店全般は「水商売」と言えます。

自分の店の業態は何に属するのか

その中で、どういうカテゴリーの商売なのか

これを知ることは

他店と比較する上で重要です。

何が武器か?何を捨てるのか?

 

さて・・ここからが本題です。

ここまで読み進めてくれた方にお伝えします。

ここまでの経営基本のお話は

言わば「あたりまえ」です。

正直細かい部分を

知らなくても年商1億くらいの

経営者なんて沢山います。

ここからは経験上書けることですが、

多少の私念も入っているので

あしからず。

まずお店が、勝ち抜いていくためには

何が武器なのか?

何を捨てるのか?

ではないでしょうか

たとえば

利益度外視で、注目を集めるようなサービス

言わば「エサ」の部分です。

お客さんは「必要」だから来店します。

お客さんを呼び込むために

なにを「看板娘」とするか、

なにを「必要」とさせるかです。

また、○○限定という考え方もあります

材料を絞り込むため「10食限定」や

または他のメニューを捨て

「1つの商品で勝負!」などの考えもあり

これは実は、人件費・材料費を抑える効果もあります。

そして、何の武器があるのか、

例えば「知識」だったり、

店主の「コミュニケーション能力」

だったり・・・。考えようによっては

沢山ありますが武器になり得るのはまず

他の同じようなお店たちにはない部分です。

これを自らがきちんと把握した上で

初めてスタートラインに立った

といえるのではないでしょうか?

・・・自分のお店にしか出来ない事はありますか?

他店の良いところは「真似」する・される

 

例えば違うお店で実施されている

サービスや仕組みなどをみると、

「実施されている理由」が

が必ずあります。

「本体価格がすごく安い」

「初回無料」

・・色々あります。

その理由とは・・何でしょうか?

たとえば本体価格が安いのは、簡単に言うと、

「高価な消耗品を定期的に買ってもらうため」です。

その仕組みの「その理由」がわかればこれは、

自分のお店に取り入れる「1つの候補」

や考え方になり得ます。

もし、その仕組みが素晴らしいと思うならば

優れた点・その逆を理解した上で

是非どんどん導入するべきだと思います。

そして自分のお店は常に、

真似されるほどのサービス・仕組みを

実施できているでしょうか?

お客様の目線で考えていますか?

 

サービスの導入然りですが、

「お店側の考え」に偏ってないでしょうか?

たとえば・・

「従業員が働きやすいから」

「技術をアピールしたいから」

「お店(私)のカラーを知ってほしいから」

「自分の趣味で始めた店だから」

などですね。

・・これがもし自分が客の立場ならどうでしょうか?

実は、客目線で考えることは実は簡単なんです。

客になって考えればいいだけですから。

たとえば、自分がお客さんの場合

お店の都合なんて気になりますか?

従業員の働きやすさなんて

知ったことじゃないですよね。

さらに、よく見る形で、

明らかに「サービスの押し売り」

と感じるものもあります。

これも完全に「お店目線」になってます。

例えば、値段などに導入する仕組みにしても

(五千円)と(三千円)

の同じような商品なら

大体の人が(三千円)の方を選びますが

これの選択肢に(七千円)をくわえると

(七千円)と(五千円)と(三千円)。

不思議と大体の人が五千円の商品を買うような

いわゆる「松竹梅」とおくと「竹を選ぶ心理」などの

「行動心理学」という手もよく見かけますが、

これをやり過ぎると店側の意図が「見え見え」です。

これが多い範囲で、随所にに見えてしまったら、

お客として少しテンション下がりますよね。

無駄な部分をうまく使う

 

たとえば「無駄な部分を使う」という考えもあります。

お客さんが入っていない時間だったり、

使い切れていない設備・人材などです。

しかし一体どこに無駄があるのか・・。

良くある駄目なパターンは、それを

「従業員・人材」に大きく

求めてしまうことです。

まあ人件費は高いですから解らなくもないですが、

人材費用削減の結果

個人に過剰に成果を要求したり・・。

この時代にそんなことしてたら

すぐにブラック企業と言われ

悪い噂が立ち・・・・・。

となります。

良くある従業員側の立場からの相談や、

退職の理由や不満は大体「これ」です。

「人材」の場合はあくまでも

「無理の無い形」での

その人材の使い切れていない部分や才能を

見つけることです。

一番必要なのは「お店としての無駄な部分」を

見つけることです。ざっくりですが

例えば暇な時間に

空いてる機械・道具などで何かを作って

違う店に卸すとか、

空いた席・時間で何かしらのスペース利用として、

イベントやサービスやセミナーなど

を開催するとか・・です。

またその為の「開拓営業」も、もちろん必要です

どんなお店にしても同じように

必ず来る暇な時間があり、

それなのに大きく差が出るのは

その「考える努力」の部分

の違いかもしれませんね。

 

 

長くなりました

今回はここまでにします

ここまで読んで頂いて有り難う御座います

まだ書き足りない部分もありますが・・

またお会いしましょう。