科学の雑学

宇宙に繋がる元素を順番に説明していく 元素記号②He ヘリウム  


今回は

元素記号②He ヘリウムについて

書いていきます。

そもそも元素とは概念・そもそも原子とは?

 

「原子」とは

中心である原子核とその

周囲を取り囲む電子によって構成されていて、

原子核は、さらに陽子と中性子から成り立っています。

「元素」とは、概念であり

ざっくり簡単に書くと、どんな方法でも、

現在の科学で、これ以上分解することが出来ない・・

と、言える物質のことを言います。

その「原子」が含む「陽子」の数によって決定され

陽子の数が同じなら、同じ元素に分類されます。

番号でそれを(陽子の数が同じ物)ナンバリングして、

分かりやすくした物が

「元素番号」となります。

ちなみに陽子の数(元素番号)は同じでも

陽子におくっついている、中性子の数が違う場合は

たとえば、水素・軽水素(1H )、重水素 (2H )と区別されます。

元素記号②He ヘリウム

 

ヘリウムとは希ガスに一種で、

化学変化がほとんど起きない、安定した元素と言われています。

宇宙では①H水素に次いで、2番目に多い元素となります。

無色、無臭、無味、無毒で

すべての元素の中で最も沸点が低く、加圧下でしか固体にならないそうです。

ヘリウムは地球の大気の 0.0005 % を占め、

鉱物などやミネラルウォーターの中にも溶け込んでいます。

ヘリウムは水素に次いで2番目に軽い気体で

水素と違い爆発の危険が無いことから

気球などにも使われています。

ヘリウムを発見したのは?

 

ヘリウムを発見したのは

イギリスの天文学者ノーマン・ロッキャー(1836~1920)となります。

1866年にインドで皆既日食を観察中

太陽光の中から新しいスペクトル線(一様で連続な光スペクトル上に現れる暗線または輝線)

ヘリウムを発見します

ヘリウムとはギリシャ語の「太陽」を示す言葉「ヘリオス」から

名付けられました。

ノーマン・ロッキャーは太陽の黒点の研究で有名で、

ヘリウムを発見した翌年には科学誌の

「ネイチャー」を創刊した人物です。

ヘリウムの用途

 

ヘリウムの用途で有名なのは

上記にも書きました気球での用途です

ヘリウムは水素の 92.64 % もの浮揚力があり、

燃えないため、水素よりも安全なガスとして気球または

風船等の浮揚用ガスとして利用されています。

ヘリウム中では音速が空気中よりずっと速いためヘリウムを

吸入してから発声すると、

あの甲高い音色の奇妙な声が出る事も有名ですね。

また工学では、

沸点、融点ともに最も低い元素であり、

液体ヘリウムは他の超低温物質よりも低温となるので

超伝導など、絶対零度に近い環境での

研究が必要な分野で冷媒として使用され、

また、人体に無害のため、医療などでも使用されています。

ヘリウムの同位体を紹介

 

「ヘリウム2」(ジプロトン)

ヘリウム2(ジプロトン)は、ヘリウムの仮想的な同位体で、

計算上は強い相互作用がもう2%大きかったら存在することができる。

 

「ヘリウム3」

陽子2個と中性子1個からなり、通常のヘリウム原子より軽い安定同位体、

地球大気中にはごく微量含まれるが、

地球生成時に地球深部のマントルに取り込まれたため、

地殻中よりもマントル中に多く存在する。

月面においては太陽風から供給されるヘリウム3が蓄積している。

重水素とヘリウム3との核融合は

そのクーロン障壁が高いため、核融合炉としての

実現が比較的容易とされています。

「ヘリウム4」

陽子2個と中性子2個からなり、

魔法数にあたり安定同位体である。

ビッグバン原子核合成によっても大量に生成された。

地殻岩石中の放射性元素の崩壊に伴うα粒子の蓄積によっても生成されるため、

地殻中に多く存在する。日本では100%輸入に頼っている。

「反ヘリウム」

反ヘリウムは、反陽子と反中性子からなる原子であり、

ヘリウムの反物質で記号はHeと、通常のHeに反物質であることを示す線を上に引く。

反ヘリウムの同素体の原子核として3Heと4Heがそれぞれ合成されている。

今のところ陽電子が周りを回る「反原子」と呼べる状態のものは合成されていない。

 

そのほか、人工的に作られた同位体としては、

ヘリウム6、ヘリウム8、ヘリウム10などがあります。

 

今回は以上です

有り難う御座いました