科学の雑学

宇宙に繋がる元素を順番に説明していく 元素記号 ①H 水素


今回は

元素・それにまつわる話

を元素番号の順番に解説していきます

今回は元素番号~①番「水素」です。

そもそも元素とは概念・そもそも原子とは?

 

「原子」とは

中心である原子核とその

周囲を取り囲む電子によって構成されていて、

原子核は、さらに陽子と中性子から成り立っています。

「元素」とは、概念であり

ざっくり簡単に書くと、どんな方法でも、

現在の科学で、これ以上分解することが出来ない・・

と、言える物質のことを言います。

その原子が含む陽子の数によって決定され

陽子の数が同じなら、同じ元素に分類されます。

番号でそれを(陽子の数が同じ物)ナンバリングして、

分かりやすくした物が

元素番号となります。

ちなみに陽子の数(元素番号)は同じでも

陽子におくっついている、中性子の数が違う場合は

たとえば、水素・軽水素(1H )、重水素 (2H )と区別されます。

元素番号1 「水素」

 

まず、水素の始まりは、

宇宙のビックバンの爆発によって

誕生したと言われています。

その大爆発で出来たのが水素原子です

水素は、宇宙に一番多く存在します。

また水素とは一番軽い気体です。

地球上にある水素は、無色・無臭・無害で、

空気より軽い気体(ガス)となっています

そのほとんどは、水(H2O)のように化合物として存在しています。

「H2O」とは水素原子(H)2個と酸素原子1個(O)が結合した状態です。

水素と水素、2つがくっつくと大きなヘリウム原子になりますが、

その時の核融合で莫大なエネルギーが放出されます、

現在の太陽などの恒星の姿がまさにそれです。

水素を発見したのは?

 

水素を発見したのは、英国貴族の

ヘンリー・キャヴェンディッシュ(1731~1810)で

1766年に発見しました。

ヘンリーは、水素が可燃性で燃やしたら

水が発生することを証明した人物です。

当時発見した気体は「フロギストン気」と呼ばれていました。

ヘンリー・キャヴェンディッシュはその後

オーム法則など様々な発見をしますが、

すべて趣味の実験だったため、ノートに書いて満足していた調子で、

学会などで一切発表されなかったそうです。

また、寡黙で人間嫌いな性格であったことが知られています。

水素の用途

 

水素は産業用途として、

アンモニア肥料製造・半導体加工、

さらに石油化学工業などで広く使われていますし、

ニッケル水素電池という二次電池にも水素が使われています。

液体ロケットの燃料も水素です。

またマーガリンなどの油脂は、

原料に水素を添加して化学組成を変えています。

さらに携帯電話やパソコンなどに使われる半導体製造時の材料ガスには、

超高純度の水素ガスが利用されているそうです。

最近では水素からエネルギーを取り出して、

モーターを回したり、

電源や熱源として利用することが注目されています。

水素の同位体を紹介

 

水素1(軽水素)1H

自然界に最も多く存在する水素の同位体、その存在度は99%以上です

水素2(2重水素)2H

1931年にアメリカの化学者ハロルド・ユーリーが発見

重水素原子が軽水素原子のほぼ2倍の質量がある

核融合燃料としての利用の他、原子核反応での中性子の減速剤などに使用されます。

水素3(3重水素)3H

トリチウムという名前で知られ、

原子核中に1つの陽子と2つの中性子を有する。放射性同位体

水素爆弾の原料・原子爆弾の出力増強剤または電池などに使用されています。

水素4(4重水素)4H

不安定な水素の放射性同位体で、核は1つの陽子と3つの中性子からなる。

水素4の存在は放出された陽子から推測されたそうです。

水素5(5重水素)5H

水素5は1つの陽子と4つの中性子からなる

水素5は理化学研究所のRIビーム科学研究室で最初に合成された

水素6(6重水素)6H

水素6の原子核は1つの陽子と5つの中性子からなり

三重水素同士を多重に衝突させて生成された。

水素7(7重水素)7H

1つの陽子と6つの中性子からなる極端な中性子過剰核であり

水素5と同じように水素7も

理化学研究所のRIビーム科学研究室で最初に合成された

水素8(8重水素)8H

核は1つの陽子と7つの中性子からなる

現在これ以降の重水素は合成されていない。

ちなみに

水素4以降の水素は

陽子に対し中性子の量が過剰すぎるために、非常に不安定で

一瞬のうちに中性子を放出し、

中性子数がより少ない軽い水素へと崩壊する中性子放出を起こします・・。

 

 

今回は以上です

有り難う御座いました。